桜の花びらは美しく、儚く、散っていく。

「…………咲良?」

空想の世界にトリップしてた私を、少し低い優しい声が呼び戻す。


声の主は朔夜だったらしい。

朔夜の声は妙に安心する……なんて思っている私に、朔夜の顔がだんだん近づいてくる。

「…………?」

朔夜の顔が目の前まで来て、思わず目を瞑ると、

チュ

「…!?」

瞼にキスされた。

焦る私などお構いなしに、

「…………泣くな。」

と言って朔夜は私を抱きしめた。


泣く………?

目元に手をやると、指に雫が付いた。



……なんで泣いてるんだろう。

“幸せになってはいけない。”

そんなこと前から分かりきっていたのに……。