逢瀬朔夜のバイクの後ろに乗せられて、数分後。

「い、家……?」

私がバイクから下ろされた場所は、大きな家の前だった。

「家じゃないよー?ここが僕らのたまり場!!」

えっへん、なんて胸を張って言う蓮斗。

たまり場ってサイズじゃない気がするんだけど……。

暴走族ってお金持ちなのかな?

周りを見渡して見ると、バイクが数十台止まっている。

ヤンキーの皆様方が既にこのお家に居るらしい。


ブルッ

思わず震えると、優しく頭を撫でられる。

「………?」

顔を上げると、口元だけで緩く微笑む逢瀬朔夜の顔。

もともと整っている顔が、余計綺麗に見えて……。

心臓がばくばくする。

太陽の光が、長い睫毛と高い鼻を強調する。

…………どこかでみたような…。


逢瀬朔夜は私をバイクから下ろすと、私の手を取って歩き始めた。