下ばかり見て歩くと、色々な人の影が見える。 前に太陽があるため、私の影は見えない。 ふと。 目の前に大きな影が止まった。 うん? 顔を上げると…。 目の前には、男の子が立っていた。 「え?」 思わずその顔をマジマジ見つめる。 整った黒髪と顔立ち。 長い前髪に隠された銀縁眼鏡。 …どこかで見たことあるような顔だな。 「何か?」 あまりにも彼がマジマジ私を見つめるものだから、思わず敬語を無視して聞いてしまった。 「………」 え? 無視ですか?