桜と別れ、私たちは特進クラスの教室へ向かう。




「思ったんですけど」

「うん?」

「何故先ほど桜に対しては、すんなり桜と呼び捨てに出来たのに、病室では僕のこと呼び捨ては出来なかったんですか?」

「………。
呼べたんだから、良いじゃん。
結果が全てって言うし?」

「確かに結果が全てです。
ですが、結果を出すには、途中の公式が必要不可欠です。
公式がなければ、答えを出すのは不可能です」




…これはなかなか、マズい展開だぞォ?




「ほら、早く答えてください。
僕を納得させるぐらい、順序良く説明してください」

「七音、そんなことしていたら、遅刻しちゃうよ…?」

「良いじゃないですか遅刻ぐらい。
僕ら初日も遅刻しているんですから」




七音が迫ってくるから、私はドンドン後ろに下がり、遂には壁に到着。

目の前には、イケメンと言う言葉だけじゃ収まり切らないほど、整った顔立ちの七音。




「桜は、友達だから…」

「…じゃあ何?
俺はカナコに友達宣言はされていたけど、友達ではなかったわけ?」

「ち、違うよ!
私は…えと…そのっ…」

「早く答えて?カナコちゃん?」

「ち、遅刻しちゃうよォ!!







天才な彼を笑わす方法。





それは、

素直な心なのかもしれませんね。






【END】