私は次の日からまた1本早い電車へと乗り換えた。


ドキドキしながら、いつも乗る車両ではなく隣の車両を見渡す。


「いた…。」

探す間もなく、お目当ての人は見つかる。


サラサラの黒髪。
大きな目。
相変わらずの整った顔。

目をつむって寝ている彼に見とれてしまう。


都内有数の私立進学校の制服に身を包み、腕を組んで寝ている姿も様になっている。

近くの女の子も皆蓮斗を見ている。

顔を赤くする子。
チラチラと見ている子。
ヒソヒソと話している子。

カメラを構える子…ってえぇ?!