「ご、ごめんね…?杏里。」 いつの間にかぼーっとしていたようで、茜が心配そうに覗き込んでくる。 「大丈夫だよ、茜。私、待ってるから。」 蓮斗、あなたが戻って来る日まで。 私は待つと決めたから。 「さすが杏里だねっ!!」 「そんなことないって…。」 さすがの私ももう3年も待ってるせいか 、慣れてしまったのだ。 蓮斗を想い続けるということに。 「さぁー、授業!!授業!!今日も頑張ろー!!」 チャイムが鳴り、茜はそう言いながら笑顔で席へと戻った。