【完】あたしはニセカノ。

気づけば、あたしは三田村くんの腕の中にいた。


生徒は帰ってしまって、クラスに人はいないし、


あたしを慰めるとはいえ、こんな大胆な!


「みっ、三田村くん!?」


すっかり気が動転してしまっているあたしとは対照的に、


三田村くんの声は、落ち着いている。






「紗南ちゃん…そんなに、涼のことが…好き?」


う…うん。


嫌われたかもしれない。


だけど、やっぱり好き…。


今この場で言ってしまうと、ただのノロケになる!?


そう思って黙っていると、三田村くんがあたしの背中をポンポンと優しく叩く。


「返事はないけど、好きなんだよね…なら、気持ちをちゃんと伝えないと」



「伝えてるよ…」


即答で、気持ち悪いって、返ってくるけどね!?