【完】あたしはニセカノ。

ふとしたときに見せる、涼くんの笑顔が好き。


普段は悪魔だって言われても、


偶然、涼くんの優しさに触れた。


そんな些細なことだって、好きになる理由には違いないよね?


押しの強い子だったら、リベンジにくるかも。


そうなったら、あたしなんてポイ!だよね。


そして涼くんは、真のカノジョを見つけて…


ハッピーエンド!






「うっ…嫌だよ…」



「えっ、なになに!?やっぱ俺、悪いこと言ったかな」



三田村くん、大慌て。



「そうじゃないの…あたしが勝手に、悪い方に考えちゃって…」



「紗南ちゃん…もしかして、泣いてる?」



三田村くんが、そっとあたしの涙を拭う。



「泣いてない…」



顔を隠すように俯くと。



突然…



大きな温もりに、包み込まれた。