【完】あたしはニセカノ。

「ウソーっ!!涼くん、最低っ!!」



第一声は、それだった。



だけど、涼くんが完全に悪いわけじゃない。



「踏み込んじゃいけない領域に、入ったからだよ…」



「そんなことない!元カノと比べるなんて、最低なんだから!!それに、そんな形でキスしようとして…あの悪魔がーっ!!」



桃ちゃんの想像以上の怒りに、あたしもタジタジ。









「う…んと、そうじゃなくて。涼くんも、苦しんでるんじゃないかなって…元カノとのこと…」



「涼くんが?どうなんだろ、タイちゃんはそこまで話してなかったけど…」



「それにね」



あたしは桃ちゃんの腕にしがみついた。