【完】あたしはニセカノ。

「聞いちゃ、ダメかなって。きっと聞くのをなんとなく避けてたんだと思う」


今だって、迷惑そう。


ああ…こんなことなら、聞くんじゃなかった。


このまま、穏やかに1か月が過ぎるのを待っていた方がよかったかも。



波風立てずに、



ただ、涼くんのとなりにいる。



お試しカノジョのくせに、


図々しいって、思われたんじゃないかな。







ビクビクしていると、涼くんがポケットから何かを取り出した。



…え。



「ダメなわけねーじゃん。ほら、お前も出せよ」



そう言って、スマホをあたしの目の前に突き出してきた。



きゃあああ~っ!



「涼くん、正気!?」