【完】あたしはニセカノ。

「で。お前の用件って、なに?」


突然振られて驚いたけど、連絡先を教えて欲しいから、


勇気を振り絞って聞いてみることにした。







「連絡先、教えて」



「………は?」



涼くんは、呆気にとられている。



まさか、そんなことだとは思わなかったみたいで。



「あたし…そういえば聞いてなかったって、今日気付いたの」



「ハハハッ、今日かよ!!おっそいな」



涼くんは、ひとり爆笑している。



「だって…いつも、聞ける雰囲気じゃないし。それに…」



「なんだよ」



涼くんは口をへの字に曲げ、軽くニラんでくる。