【完】あたしはニセカノ。

「だけど、受け取ったんだ…」


そこが気になる。


「無理やり置いてったんだよ。捨てんのもな…」


それは告白してきた子への優しさ?


あたしへの気遣いは、皆無だよね…。


他の女の子…言わば、ライバルからのプレゼントを回されて、


嬉しいわけないよ…。






しょんぼりしていると、涼くんに背中を叩かれる。



「ピコがさー、クッキー大好物で。ちょっと調子にのった。ゴメンな」


だからあたし、ピコじゃないってば…。


「中身、クッキーなの?」


「そーらしい。女が言ってた」


「ピコにあげれば?」


「そーだな、そーする」


涼くんは、ハニかむと包みをカバンの中にしまった。