【完】あたしはニセカノ。

「涼くんに聞きたいことがあって…」



そこで、なにをもったいつけてるのか。



ストレート言えばいいのに、思わずそんな言い方になってしまった。



だって、番号の交換だけなら。



今、この場ですぐに終わってしまうかもしれない。



そんなの、嫌。



もうちょっと、涼くんと一緒にいたいよ…。








「へ~…俺に?そーいや、昼もそんなこと言ってたっけ。わかった」




…えっ、今なんて?




キョトンとしていると、



「昼間のアレ、わざとじゃねーから。マジで急いでたから」



流し目でチラッと見られ、フッと微笑む涼くんに、



もうノックアウト。