【完】あたしはニセカノ。

シレーっとした表情のまま、あたしを見ることもなくイスから立ち上がる。



そして足早に、教室の外へと向かう。



そんな涼くんを、あたしは必死に追いかけた。



「待ってよ。途中まで、とか。ねっ?」



「……なんで?」



え、なんでって。



だって、一応付き合ってるし。



形だけでも、



あたし、一応カノジョですよ~?







でも、言うことができない。



涼くんの心無い一言に、傷ついてしまいそうだから。



……そうだ!



連絡先を聞くっていう、目的があったじゃない。