みんなには冷たいけど、あたしだけには優しい



…なんて、とんでもない。




悲しいぐらい平等に、彼女であるあたしにも当然冷たい。









昼休み、あたしはまっすぐに8組に向かう。



いつも涼くんは学食で食べるって知ってるけど、友達と連れ立って教室を出たところで声をかけた。



「涼くん、お弁当作ってきたんだ。一緒に食べない?」



背の高い涼くんを、ジッと見上げる。



「…………」



無言でスルーされてしまった。



気付けば、涼くんはスタスタと廊下を歩いて行ってしまう。