【完】あたしはニセカノ。

「一日一緒にいれなくて、ごめんな。

そーいうことは、早く言えよ。わかってたら、予定空けたのに」



伸ばされた腕に、



飛び込んでいく。



背中にまわされた腕に、



ゆっくりと力がこめられる。



「ううん…いいの、嬉しい…」



「俺にとっても、記念日だから…」



あたしの髪を撫でながら、



優しい言葉が降ってくる。









「紗南の誕生日、一緒に祝えたら俺も嬉しーし…。

他のヤツが知ってんのに、俺が最後とかすげー悔しかった」



「涼くん、ヤキモチ焼き…」



「それだけお前のこと、好きなんだろ。わかれよ…」



今度は強引に上を向かされ、



否応なしに、キスされる。