【完】あたしはニセカノ。

「お前はそーでも、周りがどうかってことだろ?だからしょっちゅうコクられんだよ」



「そんな頻繁にコクられてねーっつの」



どうやら涼くんには、自覚がないらしい。



たくさんいる男の子たちの中で、涼くんはかなり告白されてる部類に入ると思う。



「ほらな、紗南ちゃんの顔見てみろよ…」



三田村くんが、あたしに憐みの目を向ける。








「ホントだ。すげー、ひでぇ顔してる」



あたしを見て、涼くんがそんなことを言う。



あたし、どんな顔してるの!?



慌てて頬を両手で覆うと、涼くんがあたしの手をとった。