【完】あたしはニセカノ。

強引に、


後ろから、誰かの腕の中に閉じ込められる。


力加減、温かさ…


見なくても、わかる。


これは、


涼くんの温もりだよね!?







「やっぱ、やんねー。これ、俺のだし」


もちろん声も、涼くん本人。


ギュッとされて、ドキドキは増していくばかり。


「お前のそーいう気まぐれが、紗南ちゃんを困らせてるってわかんない?」


三田村くんが、苦笑いをしている。


涼くんの、気まぐれ…。


確かに、


少なからず、



毎日あたしは、涼くんに振り回されている。