【完】あたしはニセカノ。

「色んな顔を、持ってるよね。冷たかったり、優しかったり、かわいかったり…」



今の無防備な顔も、貴重。



あたしにとっては、涼くんのどの顔も大好き。



「は?かわいい?」



眉をしかめる涼くんを、指差す。



「三田村くんとのこと…妬いてたくせに」



さっき、そんなことを言ってたはず…。



「妬くだろ、フツー」



ふええぇぇっ!?



率直過ぎる回答に、今度はあたしが動揺する番。








差した指を、涼くんがギュッと握ってくる。



そしてそれを、自分の口もとへと運ぶ。



吐息が…



あたしの指に絡みつく。