【完】あたしはニセカノ。

きちんと目を合わせて、会話する。


ただこれだけのことなのに、


すごく嬉しいよ。


涼くんからしたら、迷惑な話なんだろうけど。






少しして、涼くんがあたしに背を向けて歩きだす。



「またな」



とか、ないの?



やっぱり涼くんって、冷たいね…。



さすがに、もう追いかけるのも気が引ける。



完全に、嫌がられてるってことだよね。



カバンを持ったまま立ちつくしていると、



数メートル先で、



涼くんが、くるりと振り返った。