【完】あたしはニセカノ。

ふと気付くと、涼くんがあたしの目の前に立っていた。


りょ…う、くん?


目を軽く細め、あたしに向けられる優しい眼差し。


これは…


奇跡なの!?


とうとう、


あたしの気持ちが、


涼くんに通じた?







嬉しくなって、あたしの口元が緩んだそのとき。


「だったらさー…昨日の仕返し、していい?」


へ。


仕返し?


「え…と、それはどういう…」


否応なしに、腕を掴まれた。


「きゃっ!!」