【完】あたしはニセカノ。

「涼くん…待って…あたしの話を聞いてよ」


泣きそうになってると、涼くんが立ち止まった。


「……んだよ、泣く女嫌いなんだよ、ウザ」


うっ…。


「なっ、泣いてないもん!」


歯を食いしばり、堪える。


そうしていると、涼くんが苦笑した。







「俺より、三田村の方が優しーし。アッチ行け」


「やだっ!」


そんな言い方って、ないよ。


涼くんは、無言でそのまま歩き出した。


急いで、その背中を追う。