【完】あたしはニセカノ。

「あれ。アイツ、てっきり紗南ちゃんのこと迎えに来たんだと思ったのに」


三田村くんが、苦笑している。


「まさか!涼くんが、あたしを迎えに!?」


脇目もふらず、一目散に帰る人だよ?


それなのに、あたしを迎えにだなんてありえない。


あたしが首を横に振り続けるのを見て、三田村くんがクスッと笑う。


「妬いてんのか、涼のヤツ」


その言葉に、


脳内フリーズ。






や…焼く?


役?


薬!?


「俺らのこと、なんか誤解してるかも。紗南ちゃん、頑張れ」


「ご、誤解って?」