【完】あたしはニセカノ。

「だって…涼くん、冷たいし……」



「好きの裏返しだろ?アイツ、マジで嫌いなヤツとは目も合わせないから。

イジりもしなけりゃ、視界から消し去る」



そっ、そうなんだ!?



今日、会ってないし。



その対象になってないとは、言いきれない。



「俺にだって、涼から絡んでくること、あんまりない。

声かけたら、ダルそーだけど、ちゃんと来る」



「そうなんだ……」






言われてみれば、そうかも。



お昼だって、いつも嫌がるけど最終的には一緒に食べてくれるよね。



「今日だってさ…」



「え?」



「あ…いや、涼が食欲ないっつーのに、無理矢理誘ったんだけど。

もしかして、紗南ちゃん約束してた?」