とりあえず、歌を返してみる。
歌を返さないのは教養がないからだなんて思われたくない。
これでも良家の姫として暮らしてきたのだ。
この人が私の身分をわかってないとはいえ、家の名に泥を塗るような真似は出来ない。
この時代、歌詠みの才能は今後の命運を左右すると言っても過言ではない。
この男の詠みっぷりも中々だか、
そこが、更に私の闘争心に火をつけた。
『たらちねの 母の呼ぶ名を 申さねど
道行く人を 誰としりてか』
....うん、
それなりの出来のはず。
自画自賛はしないけど。
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