「面白かったよ。
コメディも入っているし、シリアスも入っているし」

「そうなんだ!
良かったぁ~・・・」




これはこの間発覚したんだけど。



大貴は多くの漫画や小説を読んでは、感想を作者へ送り、どこが良かっただのどこか悪かっただのをちゃんと伝えているんだって。

大貴から感想をもらった本は、どれもベストセラーになっているというから、驚きだ。




「私の本もベストセラーになるかなぁ?」

「ユメなら絶対なれるよ!」

「ありがと!」



私は将来の夢を、小説家と決定することにした。

やっぱり多くの読者さんに喜んでもらいたいから!




「ねぇ大貴」

「うん?」

「…これからも、私の夢、応援してくれる?」




大貴は一瞬ポカンとしたあと、すぐに笑った。

その笑顔は、私が見た大貴の笑顔の中で、最も綺麗な笑顔だった。




「勿論!!」







後日。

私は柏ユメとして、小説家デビューを、果たした。






【END】