「だから友達もいないのか」

「はい」

「家に帰らないの?」

「…鍵家に忘れて……」

「なるほど。
それで図書室に来たわけね」

「はい」



彼はしばし俯くと、パッと顔を上げた。



「なら俺とデートしない?」



…は?

何故そういう展開になる?

てかあなた、私の話聞いていましたか?



「俺も暇だしさ~。
その上俺も遊ぶ友達いなくて。
だから夢子ちゃん、一緒にデートしよ?」



暇だからってデートに誘うのかコイツは。

絶対ナンパ得意そう!

先ほどの疑問が確信へと変化した。




「てか夢子ちゃんって長いから、ユメって呼ぶわ」



え?

いきなり呼び捨て!?



「俺のことも大貴って呼んでいいから!」



えぇ!?

男の子をいきなり呼び捨て?

それは無理!

全力で拒否します!!