「ありがと。」


「ううん。私嬉しかったから。唯一の宝物なんだから。」


「私も唯一の宝物よ。」



「「ふふふっ……」」



2人で笑い合う。



「聖。どんなことがあっても、私は聖の味方だからね。」



「何急に…そんなこと分かってるよ。私だって同じだから。」



笑っていたら急に真剣な表情をして薙晶が言うものだから、聖は大丈夫だとでもいうように答える。



「約束。ずっと約束よ。」


「うん。」



指切りげんまん
嘘ついたら
針千本の~ます

指切ったっ!


破りもしないのに、無邪気にはしゃぐそんな声が聞こえた気がした。



「小鳥遊に会いたいな。3人で食事でもしようよ。」


「小鳥遊と?でも…」


「いいじゃない。ねっ?」


「うん……」



聖が言い渋ったのは、薙晶との関係が明るみに出ないかということがあるから。


しかし数週間後、明るみに出るどころか全て知れ渡ることになる。



2人の少女達の
悲しくも愛しい秘密と、

1人の男の
理解不能な憎むべき秘密。



2つの四葉のクローバーに忍ばせた

2つの許されざる秘密が。