「いきなり来て何なんだ!」



厠餉乘と小鳥遊は清憲の自宅に来ていた。

玄関先でお手伝いさんに清憲を呼んでもらおうとした矢先、本人が来てしまいアポイントを取らなかった事に腹を立てていた。



「騒々しいですわ。あなた、一体何事ですの?」


「もしかして、何か手掛かりでも見つかったんですか?」



清憲の怒鳴り声に、部屋にいたであろう曝と朔渕も出てきた。



「突然すみません。犯人はまだ捕まってませんが……見つかりました。」


「本当か?!」


「一体誰ですの?!」



厠餉乘の言葉に、清憲と曝は態度を一変させる。



「朔渕酉堕猪。殺人未遂及び横領の容疑で逮捕する。」



凛とした声と共に小鳥遊が見せたのは逮捕状。



「わ、私がですか?!ご冗談を。」


「お前らは馬鹿か!朔渕が薙晶を突き落としたりするわけがないだろう!」


「それに横領もですわ。どこにそんな証拠があるのかしら?朔渕は稀にみる優秀な秘書ですわ。」