「みんな、お疲れ様。明日もよろしくね。」



お疲れ様です…。なんて、假躍の激励にも覇気の無い返事をして帰っていく仇夂と我黏。


それもそのはず。

薙晶が病院に運ばれてから既に6日。

もうすぐ日を跨ぐので、7日目になる。



しかし、所轄と連携して目撃者や犯人に繋がる手掛かりを必死に捜しているものの目新しいものは見付かっていない。



薙晶の意識が戻らない苛立ちが日に日に増して、清憲はついには警視庁にまで圧力をかけたのか假躍は刑事部長にも発破をかけられていた。



それを聞いた面々は、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

特に小鳥遊は顔は酷いもの。



刑事ドラマではトントン拍子に証拠が出てきたり容疑者が浮かんだりするが、そうはいかない。


足を棒にして駆けずり回ってもも、頭脳や科学を駆使しても見つからない。


これが現実だと突き付けられているようで、気分が落ち込むのも当然といえる。



「お疲れ様です。」



「浅雛!」



あいつらのやる気をどうにかしないと…なんて假躍へ話す厠餉乘と、そんな2人とは対照的にやる気に溢れ再度資料を読み返す小鳥遊の前に浅雛が現れた。