鎮守の森に鬼火が灯る

男の子―――弓月くんが、ゆっくりと空を仰ぐ。





さわさわと微かに揺れる黒い梢の向こうに、深い群青色の夜空が広がっていた。




その真ん中に、細い細い三日月が浮かんでいる。





弓月くんの澄んだ瞳に、月が映っているのが見えるみたい。




白い弓のような月。





あたしは無意識のうちに、弓月くんの横顔をじっと眺めていた。







「………帰らないの?」






「………え……っ」







いきなり問われて、すぐには答えられなかった。