鎮守の森に鬼火が灯る

男の子は「ふうん」と小さく頷き、また森の奥のほうを見つめた。





………ふつう、相手の名前を聞いたら、自分の名前も教えるものだと思うけど……。




なんか、変わった子だな。







「………あなたの名前は?」







あたしが静かに訊ねると、男の子は振り向き、少し驚いたように目を丸くした。







「え、俺……? ゆづき」






「ゆづき、くん、ね。どんな字?」






「弓の月」







――――弓月(ゆづき)。




きれいな名前だな、と思った。