鎮守の森に鬼火が灯る

それきり、何か考えるように黙りこんでしまったので、あたしはとりあえず自己紹介をすることにする。







「………あの、あたし、美夜っていうの。

今日、東京からこの村に越してきて、おじいちゃんの家に住むことになったの。


あなたも、迦具村の子でしょ?

これから、よろしくね」






「……………」







男の子はなぜか、なにも答えず、ただじっとあたしの顔を見つめている。





やっぱり、吸い込まれてしまいそうな、不思議な力のこもった瞳で。







「………えーと。どうかした?」







あたしがたまりかねて訊ねると、男の子が小さく呟く。







「………み、よ。どんな字?」






「あ……美しい夜、って書くの」