鎮守の森に鬼火が灯る

男の子がすうっと立ち上がり、暗い森の奥のほうをじっと見た。






「―――おさまったか………」







独り言のような言葉が降ってくる。



あたしはなんとなく、黙っているのも不安な気がして、口を開いた。







「………火の玉も、鴉も、消えたね。

あたし、てっきり襲われるかと思った………。


どうして、急に向こうに行っちゃったんだろ?」







別に、男の子が答えをもっているとは思わなかったけど、思わず訊ねてしまった。



男の子は少し考え込むように顎に手を当てて、ゆっくりとあたしに視線を落とした。





そして、薄い唇をすっと開いて。







「―――君は、どこの家の子?」







唐突に、そんな問いを発した。