鎮守の森に鬼火が灯る

(どういうこと………?)







あたしは茫然としたまま、周りを見渡す。




いつのまにか、あんなにも激しく赤く燃えあがっていた大きな鬼火が、消え失せていた。





そこにはただ、もとの静寂と暗闇があるばかり。







(いったい、何がどうなったの?


なんで、鴉はいきなり襲うのをやめたの……?)







訝しみながら、ぼんやりとしていると。







「………ねえ、苦しいんだけど」







腕の中から、控え目な声が聞こえてきた。





あたしははっとして、腕を緩める。





男の子が、「ふう」と息を吐きながら顔を上げた。