鎮守の森に鬼火が灯る

そのとき、あたしは、不思議な感覚に、全身を包まれるのを感じた。







(――――なに、これ……あったかい……)







身体の奥底のほうが、温かいお湯に浸かったときのように、ほんのりと、じんわりと、暖まってくる。




あたしは戸惑いながらも、男の子を抱きしめていた。






激しい羽音が迫ってくる。




今にも、鋭い嘴に突つかれ、皮膚を切り裂かれるかもしれない………






―――でも、予想していた衝撃は、訪れなかった。




ただ、羽音が遠ざかっていく。







「…………え……?」







あたしはそっと瞼を上げ、空を仰いだ。





青い夜闇に溶け込むように飛び去っていく鴉の後ろ姿が見えた。