鎮守の森に鬼火が灯る

心臓が急に早鐘を打つような動悸を始めた。





耳の奥で、どくどくと脈打つ音がする。





あたしは必死で呼吸を整えて、その白いものを凝視した。





暗闇に目が慣れてきて、やっと分かった。






それは、人間。




白いシャツを着て、大きな石の上に腰かけている男の子の、後ろ姿だった。







あたしはほっと息を吐いて、やっとのことで緊張から解放された。





男の子は、あたしに気づいていないのか、こっちに背中を向けたまま、梢に覆われた夜空をぼんやりと眺めている。





その視線の先には、白い三日月があるような気がした。