鎮守の森に鬼火が灯る

夢と違って篝火の道しるべがない森の中は、驚くほど暗くて、そして静かだった。




ときどき、弱く風が吹いて、梢がさわさわと揺れるだけ。




森の中には細い道が一本、真っ暗闇の奥へと続いている。




道の両側に、鬱蒼と繁る樹々が密集して生えていて、高く伸びた枝が頭上で絡まり合い、空を覆い隠すようだった。





すごく、不気味な森だ。




でも、恐がりなはずのあたしなのに、不思議と恐怖は覚えず、一歩、また一歩と進んだ。






鳥居をくぐって十歩ほど来たところで、








「…………っ!」







あたしははっと息を呑んだ。






道の先に、闇の中にぼんやりと白く浮かび上がる「何か」を見つけたから。