卍 外は既に薄暗くなっていて、家々に明かりが灯り始めている。 でも、人の気配はそれだけで、外には人っ子一人いない。 あたしは家路につきながら、ふと迦具山のほうに目を向けた。 見上げるほど高いところにある頂上。 麓の森。 横目で山を見ながら歩いていくと、山のほうに上っていく細い坂道があった。 あたしはほとんど無意識のうちに、家路を離れ、その坂を登りはじめた。