卍
「ねぇ、芳江さん。
二階から見えるあの森って、どういうところ?」
家族みんなで夕食を終えて。
芳江さんを手伝って皿洗いをしながら、あたしはやっぱりあの夢と森のことが気になって、芳江さんに訊いてみた。
芳江さんが「山の麓の森のこと?」と首を傾げる。
「うん、赤い橋の向こうの」
「あれは、鎮守の森だ」
突然後ろから声が聞こえてきて、あたしと芳江さんは同時に振り向いた。
視線の先には、相変わらず仏頂面のおじいちゃんが立っていた。
「ちんじゅのもり……?」
聞きなれない単語に、あたしは首を傾げる。
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