鎮守の森に鬼火が灯る

橋を踏む足に、感覚はない





ふわふわとしたまま



あたしは橋を渡った






篝火が放つ橙色の光が



ちらちらと頬を照らす






橋を渡り終えると



古びた小さな鳥居が目の前に立っていた





あたしは鳥居をくぐり



森へと続く道を歩き出した





篝火の光を頼りにして








火の光が届かないところは



ただただ黒く、真っ暗な闇





不思議と怖くはなかった






黒い森の奥の奥まで



ぽつ、ぽつ、と篝火は続いている