鎮守の森に鬼火が灯る

頑丈そうな黒瓦の屋根がついた、見上げるほど高い門。





分厚い木戸を開けると、松や桜や椿の樹がたくさん生えている庭が広がっていた。





苔むした灯籠や岩も立ち並んでいる。





その真ん中に、白い敷石が続いていて。






ずうっと向こうに、奥行きも分からないくらい大きな木造平屋建ての母屋(おもや)。





そして、叔母さんの家族が住むという離れが建っていた。







「………お父さんて、もしかして、お坊ちゃんだったの?」






「田舎の家はどこもこんなものだよ。土地が安いから、家にお金をかけられるだけ」







お父さんは笑って言ったけど、やっぱりこの家は、それにしても大きいと思う。