多重人格者【完結】


……お母さんがあんなに怯えるだなんて。

それに、笑顔を無理に作ってて。

迷惑かけてごめんね、ってただ謝りたかっただけなのに。


しょうがないよね、だって、何をするのかわからないんだもん。
私にだってわからない。


私でない時の自分がする事なんて。


泣く事しか出来ない私は、本当にどうしようもない。
涙を何度も拭っては、嗚咽を漏らす。


もう、閉じ籠ってしまいたい。


這い寄って来る絶望が、確実に私を蝕む。
投げ出してしまいたいって思った、その時。


携帯が私の手の中で震えた。



……相手は、心、君。



だけど、通話を押す事が出来ない。



一度、切れてはまたすぐに震える。


暫く、画面を見つめていた。


5回着信履歴が残っている。
…いや、その前にも数件あった。


誰からも連絡が来てないと思ってたけど、そうじゃない。
殺樹が見てたんだ。