ニンゲン釣りゲーム

「まだ昔のことを蒸し返すのかっ。蛇みたいにしつこい奴だな、お前は」

「昔って、1年しかたっていないじゃない! 罪を犯したのは、あんたの方なんだから誠心誠意、私に償いなさいよ!」

リビングの閉められたドアから、きこえる声から逃げるように楓は、自室に飛びこんだ。制服のままベッドに倒れこみ、耳をふさぐ。
――ききたくない。なにもききたくない。

窒息しそうなほど、布団に顔をうずめる。

この家の歯車が狂いだしたのは、楓が高校に入学してすぐのことだった。それまでは、休日は3人一緒に外出したりと、ごく平凡な家庭だった。