「恋愛系にしようか?」
ひとみは、ノートを広げ、シャーペンを片手に意見をきく。
しかし、一葉は、そんなことなどまったく耳に入っていない様子で、原稿用紙に1枚絵を描くことに夢中になっていた。
下絵も描かず、いきなり丸ペンで制服を着たキャラを描いている。
丸ペンに力を入れすぎたらしく、ボキリと立てつづけにペン先が折れてしまい、さらにトーンをはりつけ、カッターで切ると、下の原稿用紙まで切っていた。
「なにこれ! 難しすぎ!」
腹を立てた一葉が、トーンがくっついたままの原稿用紙を投げ捨てる。
それを見て、ひとみは嫌な予感で胸がいっぱいになった。

