ニンゲン釣りゲーム

歩は恍惚の表情を浮かべ、両手で糸をにぎりしめた。
それを待っていたかのように糸が上へとゆっくりあがっていく。

「ひとつ心残りは、米岡くんと土屋さんの仲を壊せなかったことかな。まあ、じきに死ぬだろうから、別にいいや。さよなら、土屋さん、元気で」

歩は皮肉めいた言葉を残して、そのまま上へとあがり見えなくなってしまった。

楓は、深く息をついた。
鉄臭い空気が肺いっぱいに充満している。

……みんな、死んだ……。

楓は、大和をそっと見つめた。
大和の呼吸がどんどん弱くなっている。