ニンゲン釣りゲーム

「あーあ」と高斗の隣を歩いていた千賀友太が、気だるそうな声を出す。

「東京なんてガキのころから、何回も行ってるからわざわざ修学旅行で行きたくねーし」

友太は、グチグチ言いながら、茶色がかったオールバックの髪をなでつけていた。

まずい、と高斗は心の中で舌打ちする。
友太が不機嫌だと、いろいろと面倒だ。八つ当たりでもされたら困る。

「そうだよな〜友太んちは金持ちだもんな〜。今度はどこに旅行に行くんだよ?」

笑顔をお面のように、さっとかぶり、さう褒める。

ふふん、と友太が得意げに笑う。