ニンゲン釣りゲーム

ぼくが6歳の夏の日に、母は好きな男を追いかけて出て行ってしまった。真夏で、冷房もつけていないアパートの押し入れにぼくを閉じ込めてね……。
ずっと邪魔で、ぼくの存在をリセットしたかったんだろう。水も食料もくれず、押し入れの戸にはガムテープがはられ、開けることができなかった。

あの時の暑さと空腹……暗闇の中もう死んでしまったんじゃないかという恐怖は今も忘れない。骨の髄にまでしみついているから。
その時は、アパートから悪臭がすると苦情があり、連絡を受けた祖母と管理人が見つけてくれたおかげで、ぼくは命からがら生きながらえることができた。