ニンゲン釣りゲーム

「川本くん、いいのかい? このまま死んでしまって――」

歩に心の中を見透かされていたようなことを言われ、高斗はハッとする。

「川本くんはあきらめがつく? このまま死んでしまったら、絶対未練が残るよ」

歩の熱っぽい口調に高斗は、無言でうなずく。
すると、歩が耳元にぬるま湯のような声でささやいてきた。

「だったら、無理やり思いをぶつけてしまえばいいよ。そう思わないかい?」

歩のささやきがゆっくりと煙のように頭に入りこんでくる。

「思いをぶつける?」

高斗は、子供のように聞き返す。