ニンゲン釣りゲーム

岩石に下半身をつぶされ、息絶えた奈緒を見ていると、楓はいたたまれない気持ちになった。

野球をする翔太をいつも応援していた奈緒の姿を思い出すと、目の前が涙でにじんでくる。
せめて――せめて、最期に手でも握り合って死んでいれば、まだ救われたかもしれないのに。

結局、奈緒を押しつぶした岩石が最後となり、ようやく辺りが静かになった。

「ちくしょうっ、なんなんだよ、一体!」

転げまわるように逃げていた高斗が息を切らしながら、文句を言う。